寝たふりしてる間に 37
腕を伸ばし、その背に触れて目を開けると、類は、少し息を飲んだようにこちらを見る。
廊下からの僅かな光だけに照らされて、元々綺麗な類が、今夜は苦しくなるくらい男の人の色気に溢れてる。夜に見る類は、何故こんなに艶っぽいんだろう。
一度躰を重ねているからか、欲しいという欲望を認めてしまっているからか、自分の欲望の昂りが、私を急かす。
「るぃ……シタい」
目を伏せて言うと、類を引き寄せ、唇を重ねる。
深く口づけ、少し息苦しくて唇を離したところで、目を合わせれば、戸惑うような瞳が目に入り、私はもう一度回した腕を引き、類の耳に唇を寄せる。
「類」
さすがにもう一度欲しいとは言えなくて、名前を呼び、切なさでただ吐息を洩らす。
すると、類は少し躰を離し、僅かに苦しげに目をしかめて、今度は彼から唇を重ねた。
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